昭和の絵師と呼ばれた漫画家・上村一夫は、漫画界きっての酒飲みでした。 1972年に「同棲時代」や「修羅雪姫」などの作品で人気を博した後は、月産400枚もの原稿を描き上げる多忙な日々を送っていましたが、それでも毎夜酒場へと繰り出すような人でした。 その頃の1日のスケジュールはというと、まずは昼過ぎにブラックコーヒーで酔いを覚ました後、事務所に出勤。事務所のマンション一階にある喫茶店でネームを描き、それを携えアシスタントの部屋へ向かい、その日の仕事を渡し、本人も夜の8時、9時頃まで一心不乱に原稿を描き上げます。(筆はとても早く、締め切りを落とすことはなかったそうです。) その間、仕事場へ原稿を取りにやってきた編集者の面々は、ちびりちびりとお酒など飲みながら原稿の上がりを待ったそうです。当時上村プロダクションの秘書は、そんな編集者に酒の肴を用意するのも仕事のうちだったそうです。 そして夜も更け、仕事を切り上げると、まずは丁寧に歯を磨き、ウイスキーをストレートでクイと呷り、「ちょいと行きますか」と編集者に声をかけ、夜の街に繰り出したそうです。銀座、赤坂、四谷、新宿、渋谷など、一晩で何軒もハシゴして、家に帰るのは空が明るくなる頃、というのもざらでした。とにかく付き合いが良く、先に帰ることはせず、得意のギターで十八番を歌い、皆を楽しませ、いつも人に奢ってばかり。 それ故か、父が亡くなった後に父のことを悪く言う人はいませんでした。そんな仕事とお酒に人生の大半を捧げた父・上村一夫は今年で生誕80年を迎えます。父が亡くなって30年以上経ちますが、有り難いことにいまだに作品が復刻され、近年ではヨーロッパを中心として海外でも多くの作品が出版されています。そしてこの度、父が何よりも愛したウイスキーのラベルに絵を使っていただくことになり、父が生きていたらどんなに喜んだことか、と感慨深く思います。 生誕80年という年に、父を知る方にも知らない方にも、上村一夫の描いた美人画を愛でながらお酒を楽しんでいただけたらこんなに嬉しいことはありません。
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