1588年、イギリスのフランシス・ドレ-ク提督率いる勇猛果敢な海兵達から逃れるようにして、かのスペインの無敵艦隊「工ル・カルヴァドール」が ノルマンディー海岸に流れ着いた。 リンゴのオー・ド・ヴィの名産地力ルヴァドスの名は、これに由来します。 ノルマンティー地方では、ワインに代わりシードルが昔からよく飲まれており、16世紀になるとそれを蒸留するようになったのです。   今日ではノルマンデイー地方の11地区で、それぞれの地域名のもとにカルヴァドスが造られています。 「カルバドス・デュ・ペイ・ドージュ」は、1946年に原産地統制呼称に認定され、今ではグランド・シヤンバーニュのコニャックのように、他のアペラシオン「カルバドス」とは区別され、最も高い評価を得ています。 当然、明確な規則と伝統に則り製造されるわけですが、一番肝心なのは素材選びです。 シードル用のリンゴにも様々な種穎があり、理想的な混醸のために、渋みのリンゴの割合を多くし、次に甘味なもの・さらに酸味のあるものを加える。この割合加減が、各生産者の持ち味となるそうです。 リンゴの絞り汁は最低6週間の発酵期間を経て、アルコール4.5%のシードルとなります。コニャックと同様に蒸留器Alambicで2回蒸留します。  アルコール度数は72%以下に抑え、最低2年の熟成を経て、市場に出る頃には40~45%になります。アルコールが非常に強いカルヴァドスは、若い内でも美味しく楽しむことが出来ます。 一般的にカルバドスは樫樽の中で数年間熟成させているため、ほんのりカラメル色を帯びてきますが、砂糖は決して添加されない辛口のオー・ド・ヴイです。 風味やアロマはオー・ド・ヴイ・ド・ヴアンによく似ており、熟成するにつれて驚くほどリンゴのアロマがよみがえってきます。
<AOCの特徴表です> 飲み比べると、樽の違いはもちろん、AOCの違いは非常に大きくでます。 簡単にいうと、ドンフロンテスは、梨の味でフレッシュでアタックが強め、ペイドージュはボディがあり繊細といった感じです。それぞれの詳細は下記表をご参考ください
     
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AOC
 特徴

ドンフロンテ
1998年制定)

ペイドージュ
1942年制定)

土壌

一つ一つの地層が薄く、石灰質なため、横に広く浅く根を伸ばす洋梨の生育に適している。

水分を多量に含む粘土質の土壌で、直下に根を伸ばすリンゴの木の生育に適している。

使用果実

AOCドンフロンテの規定上、洋梨を30%以上使用しなければいけない。上限はなし。上記土壌の理由からも、洋梨が多く栽培される。

4つに大別される味わいの違うリンゴをブレンド。伝統的に、使用される割合は苦・苦甘系を70%、甘み系を20%、酸味系10%。

蒸留器

連続式蒸留器。フルーティーで柔らかな洋梨の特徴を最大限に残すため1回限りの蒸留に規定されているが、そのためボディには若干粗さが残る。エレガントでフルーツ溢れる味わい。

単式蒸留器で2回蒸留。苦・苦甘系リンゴを多量に使用するため、ボディが厚く複雑なカルバドスになる。2回蒸留のため仕上がりは丸くなるが、フルーティーな柔らかさは残りづらい。フルボディでドライな味わい。

熟成

3年以上(ローリストンでは原則として使用済のフレンチオーク樽を使用)

2年以上(ローリストンでは原則として使用済のフレンチオーク樽を使用)